なぜRC5 Crackingをするのか

  1. 分散並列計算に興味があるから

    これからの高速演算に必要な技術として並列計算、そして、分散計算の技術が あります。このRSAシークレットキーチャレンジに挑戦するDistributed.net, Bovineプロジェクトはインターネットを使った分散計算の実験でもあります。 実際にインターネットという信頼性を要求するにはあまりにも脆いネットワーク上で 真の意味で”地上最速のコンピュータ(Firstest computer on earth)" を実現し、すでに2の56乗本という非常に広大な鍵空間のなかからたった一本の正解の鍵を 見つけ出すという成果を3回も達成しているそのパワーと精度は学術的に見ても 非常に興味があるものであります。そのようなプロジェクトに私たちが参加しない理由はありません。

  2. 無駄なCPUパワーを少しでも有効に利用したいから

    私たちの回りには多くの計算機がありますが、どんな計算機でも常に計算で 使われているという計算機は少ないでしょう。ただメールサーバやWWWサーバを やっているという理由で24時間稼働しているが実際のロードアベレージは ほとんど0というマシンは数多くあるでしょう。また、現在のPCやWSでは ワープロ程度の利用だと私たちがキーを押す間に数十万回というアイドリング サイクルを無駄な計算能力とさせてしまっているのです。Bovine プロジェクトの クライアントはそのような計算機のアイドリングサイクルを利用して計算するように 作られており、普段数%しか使えていない計算機の計算能力を常に100%で使って くれます。合言葉は”電気食うなら計算しろ”です。

  3. 東北大学がネットワークに強い大学だということを知って欲しいから

    現在の電話やインターネットなどの通信を支えてる光通信技術。 その光ファイバーの基礎理論を発明したのが私たち東北大学の前学長でありました西澤潤一先生です。 また、東北大学では全国の大学に先駆けて1988年にFDDIをベースとした キャンパスネットワークTAINSを完成させ、また、 1995年にはより高速なATMベースネットワークSuperTAINSを構築。 東北大学はキャンパスネットワークのモデルとして全国の大学に キャンパスネットワーク設置のきっかけを作りました。 Bovineプロジェクトへの参加はネットワークのアプリケーションの一例でもあります。

  4. 私たちが使っている暗号製品は非常に弱いということを知って欲しい/主張したいから

    現在アメリカが輸出を許可している暗号製品の強さが、 すでにさほど強いとはいえないという事実が指摘されています。 輸出規制はアメリカ製の製品のみの問題ですが、私たちの身の回りにある多くの ソフトウエアがアメリカ製であることを考えればそれらの製品にもっと高い安全性 を保証して欲しいという要求をこのコンテスト/プロジェクトに参加することで表明 すべきであると考えます。

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1998/04/13
ama@cc.tohoku.ac.jp